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第18話 想い"だけ"では上手くいかない?(失敗事例前半)



2021.2.27



先日支援学校の教員の方々へ

研修を実施させてもらいました




その中には支援学校で取り組みについて

事例を聞かせてもらい

その事例についてアドバイスをして欲しい

そんな内容もありました




その事例の中では

他傷のある学生が教員の方1名に対し

大怪我をさせてしまった話を聞きました




もう少しで失明する所までの大怪我で

すぐに手術をするほどであったと




その教員の方は次学校に行くのが

嫌だったそうです




それはそうだと思います




振り返ったら大きな体格の人に

いきなり殴られた経験をすると

いつ同じことが起きるのか・・・




そう考えると

恐怖心はハンパないものだと思います




そうなると教員のご本人もですが

学校側もその学生に対しての教育の仕方について

色々と考えることが出てくると思うのです




周りの人の安全もそうですし

ケガをさせてしまう本人のためもそうですし

そのご家族のこともそうですし




色々とリスクを考えると

やはり個別での教育も必要ではないか?




しかし

そう考えて個別教育も視野に入れたそうですが

でもそうしなかったそうです




何故そうしなかったのか?




教育の方からこうお話がありました



「確かに他の学生の危険性なども考えもしましたが
 それで本当に本人の為になるのか?これから長い人生がある
 中で人の集団で慣れていくことが本人の為になるんではないか?
そう考えて集団での教育を続けることしました。
もちろん他の学生の安全も確保して」




なるほど

確かに本人の長い人生を考えるとそうですよね

でもこれって聞いてるだけだと

「確かにそうだな」って思うのですが

そんな簡単な決断でないと思うのです




この話をしてくれたのは

実際に大怪我をした教員の方からでした

次学校に行くのが嫌だと言った教員の方が

集団での教育する方針でいくことにしたと

私に話をしてくれたのです




私は聞きながら

その学生の将来の為に!という想いと

その教育の方と学校側の覚悟が相当あったんだなと

感じました




その後は本人に対するアプローチ方法を

色々と教員の方々で話し合って

ここ1年ほどはパニックもなく

落ち着いて生活していると




さらには

B型事業所への進路も決まったそうです




私はアプローチ方法を聞いて

本当に色々と試行錯誤したのが伝わりました

教員の方々の想いと教育スキルが繋がった結果が

今の本人があるんだと感じたのです




前回のblogでもお伝えしましたが

周りが変わったから本人が変わるんだと

今回の話も似ているなと思うのです


前回のblogはこちら




集団での教育方針でいくと決めて

アプローチ方法も今までと違うやり方を実践され

教員の方々が変わったんですね

関わるスキルが上がったと言えば良いのかもしれません

でもスキルだけではないと思うのです




【彼の将来の為に】という熱心な想いも

その一つだと思います




私は障がい者の支援を10年してきて思うのは

熱い想いはとても大切だということです

この想いがあるとないのと全然違うと思います




しかし

その熱い想いだけでは

上手くいかないこともあるんです

“それだけ”ではダメなんです




想いだけで動いて

私が過去に失敗した事例を

お話をしたいと思います




就労支援をして

初めての支援した人の話です

就労支援をしたのは3名いたのですが

そのうちの1名の方の障がいは

プラダーウィリー症候群です(PWS)




私はPWSの特性などは

その方と関わって初めて知りました




知らない方は是非ググってください(笑)




PWSは食欲を抑えられず

肥満になってしまう特徴があります

他にも特徴あるのですが

今回は私の失敗した話をするのは

この食欲を抑えられないことでの話が

中心になるのでそれ以外については

記載は控えます




しかし私が担当した人は

肥満ではありませんでした




それはご家族が本人の健康を考えて

食事制限と管理をしっかり行っていたからです

でも先ほども話した通りPWSの特性として

食欲を抑えられないのです




常に空腹感があるそうです




その方は過去に

通所中の電車の中に落ちていた

おにぎりを口にしてしまったり

ゴミ箱を触ったり

人のお菓子などを食べてしまったり

お店の食べ物を盗んでしまったり




本当に色々ありました




そんなこともあり

その本人のことを思って他の支援員から



「本人の為にも一般就労に拘らずに
B型でも良いんじゃないか」


こんな話を僕にしくてくれる人がいました




ですが本人が一般就労を強く希望していたことと

農業の仕事をしたい!

といったとても強い想いがあったことや

その本人の想いを実現させてあげたいという

ご家族の気持ちもありました




そんなこともあり

私は一切周りの人のアドバイスに耳を貸さずに

一般就労だけを見て支援してきました




そんな中

本人がいきたい職場の実習に

参加できる機会がありました




1週間後の実習までは

体調管理の為にも

決められた食事以外は絶対にしないこと!

それを守れることで実習に参加できると

条件のように家族さんと一緒に話をしたんです




本人はとても行きたい実習で

とても喜んでいました

だから本人も「絶対守ります!」

と意気込んで話をしてくたのです




ですが

数時間後・・・

人のお菓子を勝手に取って

口にしてしまったのです




今までも色々と約束してきて

同じように難しかったのですが

今回は本人の意気込みもあり

守れるんではないか?

と私は思っていたのです




ですが難しかったんです

そこで改めて私は

PWSという障がいがどのような

障がいかを理解しました




本人は泣いていました

本人の意思では制限出来ないんだと

もちろん100%そうかどうかは分かりませんが

その時ばかりは本人の気持ちがどうとかではないのが

分かりました




私はその人の行動を思い返していました




それは・・・

ゴミ箱にある食べ物も口にしたことなどです




その人の求める仕事は農業なんです

当然ですが畑には

食べられなくなった野菜や農薬もあるでしょう




そこで私は思いました




農薬を食べてしまうんではないか?

そうなると

下手したら死んでしまうのではないか?




その時初めて就労支援をすることが

怖くなったんです

ここで上手く就職しても

死んでしまう可能性は0ではないと・・・




私は本人の強い意志と家族の想いから

一般就労だけしか考えずに

就労支援してたのですが

就職して死んでしまったら意味あるのか?




そう考えてしまうことを無視できずにいました

周りの人の意見が正しいのかも・・・

ここにきて気持ちがブレてきてしまったんです




そう考えてしまった次の日

本人の母親と面談をする日であった為

私が感じたことや

今の私の気持ちを正直にお伝えたんです




すると母からはこう言われました



そうですね。
死んでしまう可能性はあります。
私はそう思っていましたよ。
農薬が食べ物にちょっとでも見えたら
食べてしまうでしょうね。
そうなると最悪死んでしまいます。

でも私は○○(名前)がやりたい!っていう想いを
実現させてあげたいんです。
だから最悪そうなることは覚悟の上です。

でも普段の食事管理はできる事は
今までもこれからもしていきます

中学の先生や高校の先生からは

「そこまで厳しくしなくても、
食べさせてあげても良いのでは?」

こんなことも言われてきたのですが
PWSの人達は肥満で病気になって
やりたいことができない人が
多くいることを知って
私は○○にはやりたいことを
させてあげたいです
それが農業なんです
だから覚悟があるんです

でもね中さん
それは母親の私がもつ覚悟であって
中さんはそこまで責任を感じて支援しなくても
良いんですよ

でも中さんだけです
そこまで○○の為にその考えに至ってくれたのは
だから
今まで通り就労支援してくれると嬉しいです

○○のためにそこまで考えてくれて
本当にありがとうございます。




そう話してくれていた母は

ずっと泣いていました




以前より私も本人の就労支援の

覚悟が更に強くなったのです




絶対最悪の事態にならない為に就職しても

自分ができることは全力で支援するぞ!

定着支援に力をいれるぞ!!

やるぞ!!




この想いが

失敗に繋げてしまうことになりました






思いのほか

長くなってしまったので

この続きは次回にしたいと思います





最後まで読んでくださりありがとうございました





障がい者雇用×チームビルディング

“障がい者雇用をきっかけに誰もが働きやすい社会を創る”

Neu

中 知也

naka@neu-osaka.com

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